産業用ドローンの導入・開発のご相談
資料請求・お問い合わせドローンと聞いて思い出すのは、室内で飛ばして遊ぶおもちゃのようなドローンや、映画やドラマの空撮に使われるものが多いのではないでしょうか。しかし現在、機能が豊富で、性能に優れた業務用ドローンも増えてきました。
この記事では、さまざまなシーンで活躍が期待される産業用ドローンの特徴や主な用途を解説します。
本格的に導入する前に知っておきたい注意点や、操縦する上で必要なスキルなどについてもあわせて説明するのでぜひお役立てください。
目次
産業用ドローンとはどんなものか説明する前に、広くドローンの概要や特徴について解説しましょう。
ドローンはもともと軍事用に開発された自律する無人機のことを呼んでいました。飛行音がハチの羽の音を連想させることから雄のハチを意味する英語、ドローンと呼ばれるようになったと言われています。
日本にドローンが普及し始めたのは2015年です。この頃から民間、行政問わずドローンを使った事業がどんどん増えてきました。ドローンの登場以前は人間の頭上200m程度の低空空域を自由に飛び回れる機械など存在していなかったため、ドローンの登場を最後の産業革命という人もいます。
空撮やレース、ドローンショーなどでも盛んに活用されるようになったドローンはあちこちから注目され、新たなビジネスモデルとして参入する企業が急激に増えています。
一般用のドローンと産業用のドローンに大きな違いがあるわけではありません。業務(仕事)であっても、かんたんな空撮だけなどの場合は、一般用のドローンでこと足りることもあるでしょう。
しかしドローンの用途が多様化した現在は、利用される用途により、カメラ、バッテリー、機体の丈夫さ。耐水性、耐寒性など求められる機能はさまざまです。それぞれの機能に特化したものも出てきているため、使用用途に合わせてドローンを選ぶことをおすすめします。
近年特に広まってきた業務用ドローンはどんなことに使われているのでしょうか。産業用ドローンの主な用途について具体的に解説します。
ネット通販やフリマアプリの利用が増えたこともあって、慢性的な人手不足が続いている物流業界から業務用ドローンに熱い視線が注がれています。ドローンなら、上空から郵便物や宅配の荷物を運ぶことが可能です。
山間部や僻地、交通ルートが不便な場所では輸送コストかかってしまいますが産業用ドローンなら届けやすいというメリットがあります。また住宅街やオフィス街でも、渋滞や一方通行など道路事情に左右されにくいため素早く配送できます。
ドローンのメリットは人間が直接その場に行かなくとも、現地の状態を把握できることです。
広大な土地やダム、建造物の屋根、橋梁、その他、さまざまな施設の劣化状況などの調査もドローンを使えば安全かつ安価に行えます。一般のドローンでもカメラを搭載すれば現在地の把握が可能です。産業用ドローンならば、3Dモデリングができる高性能カメラやサーモグラフィー、その他さまざまな機器を搭載して、より詳細なデータを得られます。
災害発生時、救助隊はおろか救助犬さえも立ち入れないような場所でも、無人のドローンなら可能です。
被害状況や生存者の有無の確認が素早く、正確に、しかも救助者本人の安全を確保しながら行えるのが何よりも利点といえるでしょう。撮影用のカメラのほか、サーモグラフィーカメラを搭載した産業用ドローンで体温を検知し、生存者の発見にも役立てられます。
また陸上の交通網が分断された場合に、救援物質やエマージェンシーキットなどをドローンで空から運べます。
在庫管理にドローンが使えると聞いてもピンと来ない方もいるかもしれません。
たとえば大規模な倉庫での管理作業を考えてみましょう。従来は目視で管理したり、ICタグを作業員が手作業で読み取るなどで、膨大な時間と人件費が必要でした。ところがドローンならば、どんなに高く荷物を積み上げても関係ありません。在庫管理の担当者は安全なところでドローンを操作するだけで在庫管理が可能です。
さらに位置情報や数量などを社内の在庫管理データベースに接続すれば、面倒な入力作業も自動化できます。
ドローンによる測量も注目されている状況です。カメラを搭載した産業用ドローンで上空から土地の状態を撮影しデータ化、それを専用ソフトで加工して図面や3Dモデルの作成に生かします。撮影データをそのまま使えるので処理時間が短時間で済むため、地上での測量よりも早く結果が出る、セスナ機を使って航空測量するよりも安価にできるメリットがあります。
広大な砂漠地帯や高山、人間が入れない危険箇所などでも測量できるのは産業用ドローンの特徴の1つです。
2022年12月5日より、自動車のようにドローンの操縦が国家資格になる「無人航空機操縦者技能証明書制度」がスタートしました。 ただし、免許をもっていないと操縦ができないというわけではなく、「特定飛行」と呼ばれる特定の空域や方法での飛行を行う際に免許取得が必要あるいは推奨されるというものです。
対象となる「特定飛行」は、以下9種類の飛行(またはその組み合わせ)となります。
・上空150m以上の飛行
・危険物輸送を伴う飛行
・空港周辺の飛行
・物件投下(液体を含む)を伴う飛行
・イベント上空の飛行
・人や物との距離が30m以内となる飛行
・夜間飛行
・目視外飛行
・人口集中地区上空の飛行
詳細は、国土交通省WEBページをご参照ください。
無人航空機の飛行許可・承認手続:https://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr10_000042.html#flow
なお、無人航空機操縦者技能証明書の取得は、全てのドローン飛行において必須事項ではありません。今回の制度が対象としているのは前述のとおり「特定飛行」に限られているため、それ以外の飛行は対象外となるためです。
ただし産業用ドローンを実際に思うとおりに操縦するには知識と技術が必要です。実技を訓練したり、技術を証明するために民間の認定団体による操縦士資格やインストラクター資格を取得するのもおすすめです。
民間資格を持っているからといって、好き勝手にドローンを飛ばせるわけではありません。ドローンを飛行させるにあたっては法律や条令を守ることが義務づけられています。
ドローンを規制する法律・条例には以下のものがあります。
・航空法
・小型無人機等飛行禁止法
・電波法
・道路交通法
・市町村など自治体の条例
特に飛行の安全性について規制している航空法については知っておかなければなりません。飲酒時の操縦禁止、飛行前点検の遵守、衝突予防の遵守、危険な飛行の禁止などが定められているほか、どんなときに届け出をしなければならないかが決められています。
規制内容を確認する際は国土交通省などのサイトで最新情報をチェックしてください。
航空安全:無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール – 国土交通省 https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html#a
ドローンは飛行禁止区域が法律や条令で設定されています。
1.空港周辺
2.150m以上の高さの空域
3.人口集中地区の上空
上の1~3を飛行させたい場合には、あらかじめ国土交通大臣の許可を受けなければいけません。
また飛行禁止区域以外でも、地権者の同意や国・自治体の確認、警察署の手続きが必要になるケースがあります。私有地の場合は、地権者の同意を得なければいけません。
道路の上空を飛行する際も警察署に届け出など手続きが必要な場合があります。飛行場所の所轄警察署に、飛行予定を情報として提供しておくと安心です。
産業用ドローンは重量があるため、操作ミスや機体トラブルなどで墜落した場合、人身、物損事故となり、かなりの被害を出してしまう恐れがあります。万一の備え相応の保険に加入しておくほか、悪天工事や電波の干渉が強い場所では飛行しないなど、安全な飛行・操縦を常に心がけることが大切です。
この記事では、さまざまなシーンで活躍が期待される産業用ドローンの特徴や主な用途をはじめ、注意点や操縦する上で必要なスキルなどについてお伝えしました。
国内でもさまざまなメーカーがドローンを販売しています。株式会社ACSLは国産の産業用ドローンを開発しており、物流、インフラ点検、災害等、様々な分野で採用されています。ドローンの制御を担うフライトコントローラを自社で開発しており、セキュアなドローンの社会実装を推進するため、多くの企業と実証実験を重ねながら、それぞれの用途に適した産業用ドローンを開発、カスタマイズしています。
産業用ドローンの購入を検討している場合は、ぜひ一度株式会社ACSLへご相談ください。