SOTEN（蒼天）を用いたゴルフ場でのNDVI調査事例

このコラムは以下のような人におすすめです。
・植物の植生調査にドローンを活用したい
・ドローンの活用方法を悩んでいる
・ドローンを使った業務に興味がある

SOTENには標準カメラだけでなく、赤外線カメラやマルチスペクトルカメラを搭載することが可能です。今回は、マルチスペクトルカメラを用いた活用事例について紹介します。

植生指数

植生指標とは、植物による光の反射の特徴を生かし簡易な計算式で植物の量や活力を把握するために用いられます。代表的な植生指標には、NDVI(Normalized Difference Vegetation Index：正規化植生指標)があり、一般的に以下の計算式で表されています。

NDVI=(IR-R)/(IR+R)

R：可視域赤の反射率
IR：近赤外域の反射率
NDVI：-1~+1の値

植生指数は、衛星画像を利用して圃場の作物の生育状況を観測する手法として研究されてきました。しかし、衛星画像の場合、1ピクセルの大きさがメーター級の地上画素寸法となり、雲に覆われた場合や衛星の軌道によって画像データが得られないという欠点があります。一方、ドローンを用いたデータ取得では、1ピクセルの大きさがセンチメートル級となり、曇天時でも撮影を可能とするといった特長があり注目されています。

調査飛行によるNDVIマッピング

SOTENでは、専用のアプリケーション「TAKEOFF」に標準搭載されている調査プラン機能を用いて、簡単に自動飛行の経路設定からデータ取得まで行うことが可能です。 以下、調査プラン機能の設定手順となります。

①　飛行ルート作成画面の航空地図上に対象エリアを設定する
航空地図上に表示される青色の多角形ツールで調査したいエリア囲うように設定します。

②　撮影パラメータを設定する
TAKEOFFには、マルチスペクトルカメラ（CX-GB300）のカメラパラメータが登録されているため、簡単に設定を完了できます。設定する主な撮影パラメータは以下となります。

　・オーバーラップ（フロントまたはサイドのラップ率、今回は共に75%に設定）
　・グランドレス（1ピクセル辺りの長さ、今回は4cmに設定）
　・調査前/内の速度（調査範囲外と内の飛行速度、今回は共に4.5m/sに設定）

③設定された自動飛行の経路に従って撮影飛行
離陸地点にドローンを配置し、TAKEOFFより自動離陸の指示を与えると自動的に撮影飛行を開始します。

このような流れで撮影した各バンドの画像をPix4D Mapperを使用してNDVIのオルソモザイク画像へ処理した結果が以下の画像となります。このデータは、芝の生育・維持管理に活用されていくことになります。

なお、エスケージー社および代理店の岩本石油社にご協力頂き、今回の調査を行いました。

データの蓄積が重要

今回の事例のように、ドローンを用いて簡単にデータ取得が可能となっていますが、そのデータを活かして改革を進めていくためには、継続してデータの蓄積を行い有効な運用手段を模索する必要があります。

ＡＣＳＬでは、現場での実証実験などを通じて、専門家の知見を取り入れながら、お客様の利益、省力化などの業務改善に繋がる提案を構築していきたいと考えております。植物植生調査に関心をお持ちの方と一緒に活動を進めていければと思っておりますので、関心をお持ちの方々からのご連絡を受け付けております。

出典

国土交通省HP 植生指標データについて　https://www.gsi.go.jp/kankyochiri/ndvi.html

お問合せ先
株式会社ＡＣＳＬ カスタマーリレーションユニット　sales@acsl.co.jp
岩本石油株式会社　問い合わせ先：drone@iw-group.co.jp
ホームページ：https://drone-iw.tokyo/

SOTEN（蒼天）の製品詳細はこちらのページをご覧ください。