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ドローン登録制度の費用や手順ついて│リモートIDの必要性についても解説

法律・制度
更新日:2022.12.14

無線操縦する小型航空機のドローンは、手軽に空撮を楽しめるホビーとして人気です。2022年2月現在、200g未満のドローンは航空法の適用は受けず比較的自由に飛ばすことができます。

しかし、2022年6月20日から無人航空機の登録が義務化され、無登録の無人登録機は飛行させることができなくなります。この無人航空機にはドローンも含まれるため、「どうやって登録すればいいのか」「登録しないと罰則があるのか」と悩んでいる人も多いことでしょう。

この記事では、ドローンに登録が義務づけられた背景や登録手順、登録に必要な費用を詳しく解説します。

ドローンの「機体登録制度」とは

機体登録制度とは、ドローンをはじめとする無人航空機に所有者の情報を紐付けするためのものです。2022年2月現在、総重量200g未満のドローンは「模型航空機」に分類されるため、航空法の適用を受けません。そのため、通販やホビーショップで販売されている個人が飛ばして楽しんだり撮影をしたりするドローンの多くが総重量200g未満です。

しかし2022年6月20日より「航空法」が改正され、総重量100g以上で遠隔操作が可能な航空機はすべて無人航空機に分類されることになり、登録が義務化されました。これは、飛行可能な100g以上のドローンがすべて該当します。事前登録をせずにドローンを飛行させた場合は1年以下の懲役、もしくは50万円以下の罰金が課せられます。

事前登録は2021年12月20日から開始され、2022年6月19日まで登録可能です。機体登録は登録番号を記したラベルをドローンの機体に張り、リモートIDを搭載します。リモートIDについては後に詳しく解説します。

なお事前登録を行えば、リモートIDの搭載は免除されます(詳しくは後述)。事前登録は機体ごとに必要です。ドローンを複数持っていたらその数だけ登録してください。また、国土交通省が定めた基準に満たないドローンは登録申請しても許可がおりません。

ドローンの機外登録制度が導入された背景とは

ドローンは特別な免許も必要なく、誰でも簡単に飛ばすことができ、しかもラジコン飛行機やヘリコプターに比べると安価なため、瞬く間に世界中に需要が拡大しました。その一方でドローンによる事故、ドローンを無許可で飛行させる事例も増えつつあります。

また200g未満のドローンでも高性能な撮影機能を持つドローンも多いため、個人情報の取り扱いについても懸念されています。このような背景から、ドローンを含む100g以上の無人航空機の機体登録が義務づけられました。

機体を登録していれば持ち主を把握でき、どこでどんなドローンが事故や違反を起したかも分かりやすくなります。このデータを元に事故の原因究明や再発防止対策も進むため、より安全に小型航空機を飛ばせるようになるでしょう。

機体登録の手順とは

ドローンの機体登録はマイナンバー・運転免許証・パスポートなどで身分証明を行った上でのオンライン申請と、郵送による申請で行えます。以下に、その方法を紹介します。ぜひ、参考にしてください。 なお登録期間は3年間で、その後は更新が必要です。ドローンの所有者が変わった場合やドローンを改造した場合は登録の変更、廃棄した場合は抹消の申請も必要なので、注意しましょう。

オンライン申請を行う場合は、まずドローン登録システム(※1)にアクセスしてください。マイナンバーカードを用いて登録を行う場合、「マイナンバーカード情報連携」を忘れずに行いましょう。オンライン申請はパソコン・スマートフォンのどちらからでも可能ですが、マイナンバーカードを用いる場合はスマートフォンのほうが便利です。なお登録には手数料が必要です。金額は後ほど解説します。

郵送の場合は、国土交通省のサイト(※2)から申請書をダウンロードして必要事項を記入します。提出する際は本人確認書類も必要です。具体的には印鑑登録証明書、戸籍謄本、抄本、住民票の原本が有効です。他にも運転免許証、マイナンバーカード、国民健康保険証などのうち2種類のコピーの提出も許されています。

手数料を払い込んだら、「〒160-0023 東京都新宿区西新宿 1-20-1 オリックス不動産西新宿ビル 9階 株式会社 KDDI エボルバ 国土交通省 無人航空機登録申請受付事務局」まで郵送しましょう。受領されたら電子メールで登録完了の知らせが届きます。

必要情報

登録料は以下のとおりです。申請方法によって変わるので注意しましょう。

●無人航空機の種類・形式・製造者(メーカー)・製造番号
●所有者の住所氏名、電話番号、電子メールアドレス
●代理申請の場合は代理申請者の住所氏名、電話番号、電子メールアドレス
●所有者と使用者が違う場合は使用者の住所氏名、電話番号、電子メールアドレス
●法人・団体の場合の所有者の氏名並びに部署名及び事務所所在地
●申請の年月日
●無人航空機の重量の区分(25kg未満 / 25kg以上)
●無人航空機の改造の有無
●人・団体の場合の使用者の氏名並びに部署名及び事務所所在地
●リモートID機能の有無
●無人航空機が登録の要件を満たしていることの申告(メーカーが申告してある場合は不要)
●登録の要件を満たしていることの申告
●機体の写真
●機体の寸法(重量含む)

これらは、申請書類に記載欄があります。まずは申請書類をオンライン申請のページから開いたり、国土交通省の該当ページからダウンロードしたりしてください。

本人確認の方法

オンラインの場合は本人確認書類の郵送、電子証明書の送信、GビズIDへのログインなどで本人確認を行います。 GビズIDとは電子申請で使用するIDで、アカウントをひとつ取得すれば複数の行政サービスを利用できる共通認証システムのことです。ドローンの登録だけでなく、IT導入補助金や社会保険手続きの電子申請、e-Govなどで使用できます。 郵送の場合は印鑑登録証明書や運転免許証のコピーなどの提出で、本人確認を行う仕組みです。 いずれにしてもドローンを登録するためには、本人確認が必要であることを覚えておきましょう。

登録料

登録料は以下のとおりです。申請方法によって変わるので注意しましょう。

申請方法 1台目 2台目以降
マイナンバーによるオンライン申請 900円 890円
免許証などによるオンライン申請 1,400円 1,050円
郵送申請 2,400円 2,000円

手数料はクレジットカード、インターネットバンキング、銀行振込、ATM振込で支払えます。

できるだけ登録料を抑えたい場合は、マイナンバーによるオンライン申請を利用するといいでしょう。いずれの申請方法でも2台目以降の登録料は、1台目よりも安くすみます。ドローンを複数所有している場合は、まとめて登録手続きを行うことをおすすめします。

なお前述のとおりドローンの登録は有効期間が3年であるため、その都度同じ登録料を支払わなければいけません。

リモートIDとは

たとえば2022年5月に外付けリモートIDの発売を予定しているTEAD株式会社の製品は、重さが12g、動作時間は約6時間です。サイズは40×30×14mmで、小型のドローンでも十分に搭載ができるでしょう。

また、ACSLが2021年12月に受注を開始した小型空撮ドローンSOTEN(蒼天)には、リモートIDが搭載されています。なお、2022年6月以降は上記の通り、使用前に国土交通省の登録システムにて登録申請する必要があります。

現在ドローンの購入や買い換えを検討している人は、リモートIDを搭載する予定の機種やすでに搭載されている機種、外付けできる機種の購入を検討するのがおすすめです。

外付けリモートIDの取り付けが難しい場合の対処法

2022年2月現在、総重量200g以下のドローンは航空法が適用されないため、個人が楽しむために販売されているドローンの多くが200g以下です。そのため10g前後の外付けリモートIDとはいえ、搭載が難しいこともあるでしょう。

このような場合は、2022年6月19日までに事前登録を済ませておきましょう。そうすれば、リモートID搭載の義務を免除されます。期限は3年間ですが、その間に別の対処法を考えるのもひとつの方法です。

3年後には、リモートIDを内蔵したドローンが主流になっている可能性があります。また、200g以下の小型ドローンでも搭載できる小型のリモートIDが開発されている可能性もあるでしょう。

リモートIDの外付けが難しいドローンを持っている人は、早めに事前登録するのがおすすめです。

ドローンの機体登録の前に準備すべきこと

ドローンの機体登録をする前に、以下のことを確認しましょう。

●機体にハッキリと登録記号が読み取れるように貼りつけることができるか
●外付けのIDを搭載する場合、取り付けに問題がないか
●リモートIDの機能に問題はないか
●改造の有無

ドローンの機体登録をした後は、登録記号を機体に添付しなければなりません。どこに貼りつけるのか決まりはありませんが、一目見て登録記号が読み取れるようにしておく必要があります。またリモートIDがきちんと機能するかどうかも確認しておくことが重要です。

このほかドローンを自作した場合や、元のドローンと比較して寸法の変動が±10%以上の場合は登録する際に「改造したこと」を申告する必要があります。ただし、部品の着脱等で一時的に形が大幅に変わる場合は改造にあたりません。一方、「動力方式の変更」や「操縦方式の変更・追加」した場合は「自作した機体」として届出をする必要があります。

ドローンを登録する前に一度、無人航空機登録要領(※)に目を通しておくと安心です。ドローンに記載すべき事項や守らなければいけない細かなルールを確認できます。

ドローンの機体登録制度に関するよくある質問

ここでは、ドローンの機体登録制度に関するよくある質問を紹介します。ぜひ、参考にしてください。

複数のドローンを所有している場合は、すべて登録しなければいけない?

はい。前述したように、ドローンは1台1台登録が必要です。ドローンを10台持っていたら、10台分の登録が必須になるので注意しましょう。登録対象は、100g以上の航空機体です。

屋内でドローンを飛行させる場合は?

航空法の適用を受けるのは、屋外を飛ばすドローンだけです。屋内でのみドローンを飛ばす場合は登録の必要はありません。子ども向けのトイドローンの中には、屋内だけで遊ぶことを目的に作られている製品もあるので、そのような場合は登録しなくても大丈夫です。

しかし無登録のドローンを屋外で飛ばす場合は、その時点で登録が必要になります。飛ばす場所は関係ありません。私有地の上空にドローンを飛ばす場合も登録は必須です。車のように「私有地なら大丈夫」ということはありません。

ドローンを購入する前の手続きは可能?

2022年6月20日以降、ドローンを購入しても登録を行わなければ屋外に飛ばすわけにはいきません。「ドローンを購入したらすぐに飛ばしたい」という場合は、購入前に登録したいと考えると思います。しかし、ドローンの登録には機体の製造番号等の情報が必要です。そのため、実際に機体を手に入れる前に登録手続きは原則的に不可能です。

ただし例外はあります。それは中古のドローンを購入する場合です。たとえば知人からもう使わないドローンを譲ってもらう場合、変更届を出して使用者や所有者を変える必要があります。この変更届は元の持ち主が行えるので、譲ってもらう前に登録の変更届を出してもらいましょう。そうすれば、ドローンが届いてからすぐに使用できます。

まとめ

 

今回は2022年6月20日から義務化されるドローンの機体登録制度について解説しました。今は小型航空機ではないとされている、200g以下のドローンもこれからは機体の登録をしないと飛ばせなくなります。

ACSLはドローン専業メーカーとして世界で初めて上場した企業です。小型空撮ドローンSOTEN(蒼天)やPF2-AEにはリモートIDが搭載されているため、安心して購入いただけます。

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