産業用ドローンの導入・開発のご相談
資料請求・お問い合わせ空撮やエンターテインメントなどをはじめ、さまざまなビジネスに活用され身近な存在となってきたドローンですが、安全に運用できるよう複数の規制が施されています。
飛ばす場所に関する規制や飛ばす方法に関する規制など、多くの規制を理解して飛行させる必要がある上に、たびたび行われる法改正も理解しなくてはなりません。
2023年最新のドローン5大規制について、法改正も含め解説するので「ドローンを飛ばしたいが法規制がわからない」方はぜひ参考にしてみてください。
目次
ドローンは墜落や接触などで大きな事故を起こす可能性があることや、プライバシー侵害につながる懸念など、さまざまな面から規制が行われています。
以下5つの規制について解説するので、ドローンを活用したい方はしっかりと押さえておきましょう。
ドローンはどこでも飛ばして良いわけではなく、飛ばせる場所は法律や条例で規制されています。
主に「航空法」と「小型無人機等飛行禁止法」の2つにより規制されており、その他にも法律や条例による規制があり、違反しないよう注意して飛行ルートを選定する必要があります。
「航空法」では飛行に許可申請が必要なエリア・許可不要なエリア・飛行禁止エリアの3つが定められています。
許可申請が必要なエリアは、国土交通大臣に許可申請を送り申請が通れば問題なく飛行可能。以下のようなエリアが該当します。
特に該当しやすいのが「人口集中地区(DID地区)」でしょう。住宅地やオフィス街など、人が集まるエリア上空は原則飛行禁止のため、ほとんどの場所で無許可での飛行はできません。
また緊急用務空域(警察や消防などの航空機の飛行が想定される場所)は、ドローンの飛行を原則禁止とするため、たとえ該当エリアの飛行許可があっても飛行させられません。
航空法上において無許可で飛行可能な空域は、これらを除く全ての空域です。
しかし都市部のほとんどがDID地区に該当するので、ドローンの飛行可能エリアは限られています。
※参考:国土交通省「無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法」
「重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律(小型無人機等飛行禁止法)」では、特定の重要施設とその周囲約300m周辺の上空を飛行禁止としています。
特定の重要施設というのは、以下のような施設です。いずれも国の重要施設となっています。
もし無許可で飛行させれば警察官などから飛行の中止などを指示され、場合によっては飛行の妨害や機器の破損を受けます。
対象施設上空だけでなく周辺の上空も含まれているので、うっかり近付き過ぎないよう注意しましょう。
※参考:警察庁「小型無人機等飛行禁止法の概要」
「民法」「道路交通法」などの法律でもドローンは規制されており、都道府県・市町村によっては条例で制限されている場合もあります。
航空法・小型無人機飛行禁止法以外の法律・条例で規制されているエリアとして、以下のような場所が挙げられます。
各種法律を頭に入れておくことはもちろんですが、都道府県や市町村の条例に抵触しないよう注意しましょう。
他の地域では問題なく飛行できた場所でも、違う地域では禁止されていたり許可が必要だったりするかもしれません。
ドローンを飛行させる場合は、必ず事前に飛行エリアの条例もチェックしておきましょう。
「航空法」では飛行の方法についても規制されており、どこで飛行させるかに問わず遵守する必要があります。
飛行方法に関する規制は「禁止・遵守事項」と「承認が必要な飛行」の2つに大別できるので、それぞれ解説します。
ドローンを飛行させる際、飛行させる場所に関わらず遵守する必要があると規定されている事項として、以下のようなものがあります。
ドローンによる事故は人命にも関わる大きな被害をもたらすことが想定されるため、上記のような飛行は行わないよう徹底する必要があります。
※参考:国土交通省「無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法」
先ほどと同じく禁止されているものの、承認が得られれば行える飛行方法も存在します。
下記のような飛行方法は、あらかじめ国土交通大臣から承認を得られれば可能です。
ただし国家資格を取得して一定条件を満たしていれば、許可申請が不要もしくは簡略化されます。
※参考:国土交通省「無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法」
先述したようにドローンには国家資格が存在し、取得することで無資格者よりも飛行方法が多様になったり許可申請を簡略化できたりとさまざまな恩恵を得られます。
どのような資格なのか解説します。
ドローンの国家資格とは、2022年に新たに設けられた制度で「一等無人航空機操縦士」と「二等無人航空機操縦士」の2種類があります。
国家資格を取得した操縦者は、飛行の際の申請手続きが不要もしくは簡略化されるため、飛行の度に面倒な許可申請を行う必要がなくなります。
ビジネスにおいて、ドローンを使用しやすくなるといえるでしょう。
「一等無人航空機操縦士」と「二等無人航空機操縦士」の違いは、カテゴリーⅢの飛行が行えるか否かが大きな点です。
ドローンの飛行は危険度によってカテゴリーⅠ~Ⅲに分けられ、一等無人航空機操縦士は危険度の高いカテゴリーⅢの飛行を行うことができます。カテゴリーⅢは以下の特定飛行を立ち入り管理措置なしで飛行が可能です。
特定飛行
(飛行する空域)
(飛行の方法)
※ただし飛行許可・承認手続きは必要
特に今まで禁止となっていたレベル4飛行(有人地帯での目視外飛行)が可能となるのが大きな違いです。
これにより「市街地での荷物の配送」や「スポーツやイベントの中継・空撮」「上空からの警備」など、ドローンの活用の幅が大きく広がります。
※参考: 国土交通省「航空安全:無人航空機の飛行許可・承認手続 」
ドローンの機体は航空法により国土交通省への登録が義務付けられており、もし登録しなかった場合は1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。
ドローンの機体登録に関する規制について解説します。
重量100g以上のドローンは、国土交通省への登録が義務付けられています。
機体本体の重量+バッテリー重量の合計が100g以上の「無人航空機」が対象で、ドローン(マルチコプター)以外にもラジコン機や農薬散布用ヘリコプターなども該当します。
機体ごとに登録が必要なので、複数台所有している場合は、全て登録申請しなくてはなりません。
登録申請は「ドローン情報基盤システム(DRS)」からオンラインで提出もしくは、郵送により申請書を提出することで完了します。
ちなみに100g未満のものは「模型航空機」にカテゴライズされるため、航空法の適用外となり登録の必要がありません。
また例外的に登録義務が免除されるケースとして、以下のような場合もあります。
上記どちらかに該当しており国土交通大臣へ「試験飛行届出」を提出している場合は、機体登録が免除されます。
※出典:埼玉県警察「ドローン等の飛行に関するルール」
機体登録が完了したら、ドローン一台ずつに割り振られる「登録記号」を、ドローンの機体に表示する必要があります。
適切にドローンを管理するため機体登録・登録記号の割り当てが行われるので、以下のルールを守ってわかりやすく登録記号を表示しなくてはなりません。
登録記号の表記は手書きでも構いませんが、視認しやすく耐久性のある表示にしましょう。
※参考:国土交通省「無人航空機登録ハンドブック」
リモートID機能の搭載も義務付けられており、内蔵されているドローンの使用もしくは外付けで搭載しなくてはなりません。
「リモートID」とは、ドローンに関する以下のような情報を遠隔で確認できる仕組みのことです。
こうした情報を電波によって発信しているので、飛行中のドローンがどのような機体なのか、受信装置を用いれば瞬時に知ることが可能です。
危険な飛行や不審な飛行をしている機体の特定や、未登録機体の判別が可能になるため、安全にドローンを運用できるようになります。
ただし以下いずれかに当てはまる場合は、例外的にリモートID機能の搭載を免除されます。
※参考:国土交通省「無人航空機登録ハンドブック」
航空法や小型無人機飛行禁止法以外にもドローンを規制する法律はあり、各種ガイドラインなどの内容も遵守しなくてはなりません。
その他の法律やガイドラインなどによる規制も紹介するので、こちらも押さえておきましょう。
ドローンの操縦やデータ通信には電波を用いるため、電波法も遵守する必要があります。
基本的に電波の使用には、無線局の免許が必要となるのですが、他の無線通信に妨害を与えない周波数や、小電力のものであれば免許は不要です。
具体的には「2.4GHzで10mW以下」かつ「技適マークあり」のドローンであれば、無線局の免許がなくても飛ばせます。
一般的に大手メーカーが販売しているほとんどのドローンが該当します。
ちなみに技適マークとは、技術基準適合証明(=技適)を受けたドローンのこと。ドローン購入の際は、技適マークの有無を確認するようにしましょう。
※参考:総務省「1.ドローン等に用いられる無線設備について」
ドローンで空撮を行う場合は、総務省から発表されている「『ドローン』による撮影映像等のインターネット上での取扱いに係るガイドライン」を遵守しましょう。
ドローンで撮影した写真・映像を、SNSやYouTubeなどで公開したい方は多いはず。しかしインターネット上にアップする際は、さまざまなリスクが生じる可能性を考慮する必要があります。
ドローンは空中から広範囲にわたって撮影できるため、意図せず他人のプライバシーを侵害したり、不正に個人情報を取得してしまったりするかもしれません。
例えばベランダの窓から住居内の様子を撮影してしまったり、車のナンバープレートが映り込んだりというケースが考えられます。
こうした問題が発生しないように、総務省のガイドラインを参考に以下の点に注意して撮影・編集して公開しましょう。
※参考:総務省「「ドローン」による撮影映像等のインターネット上での取扱いに係るガイドライン 平成27年9月」
ドローン関連の法律は目まぐるしく変化しており、新しい技術や事業などに対応するためアップデートされています。
2022年に改正されたドローン規制の概要をまとめて解説するので、どのように変化したのか押さえておきましょう。
操縦者の国家資格が設けられ、一等資格・二等資格の2つの免許が存在しています。
ドローンの操縦自体は免許や資格がなくても行えるため、必須のライセンスではありません。
しかし今後さらにドローンが身近な存在となり、多様な業界で活用されることを考慮して国家資格が設けられました。
例えば物流や撮影などの分野では、不特定多数の人が行き交う頭上を飛行させることもあるため、安全を確保する目的があります。
また飛行の申請を簡略化して飛行させやすくすることで、ビジネス分野で活用しやすくする狙いもあります。
航空法では「機体重量200g以上」のものが規制対象でしたが、2022年から「機体重量100g以上」に変更されました。
航空法で定められた飛行禁止区域や飛行ルールなどに関して、重量200g未満のドローンは対象外のため遵守する必要がなかったものの、法改正により多くのドローンが規制対象となっています。
ドローン1台1台が誰のものか、機体の安全性は確認されているか確認しやすいように、ドローンの機体を国土交通省へ登録するのが義務化されました。
無数のドローンが街中で飛び交う未来が訪れた際に、墜落や接触といった事故や危険な飛行など、トラブルが増えることを想定して登録が義務化されています。
安全性が確認された機体のみを飛行させリスクを最小限にとどめるのと同時に、もし事故が起きても誰のものかわかるため管理責任を問いやすくなっています。
ドローンは便利な反面どうしても接触や墜落などのリスクも付きまとうため、さまざまな法律や条例などで規制が設けられています。
安全に飛行できるよう規制を熟知して、法律・条例違反にならないよう注意する必要があります。
株式会社ACSLでは、国産の産業用ドローンを開発・販売しており、インフラ点検や物流、警備などさまざまな分野で実証実験を繰り返してきました。
確かな実績と国産ならではのセキュアな機体を扱っているので、産業用ドローンをお探しの方は、お気軽に資料請求・お問い合わせください。