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【2023年度版】ドローンに関する法律や規制の知っておくべきポイントを解説!

法律・制度
更新日:2023.09.08

身近な存在となってきたドローンですが、2022年に国家資格制度が制定されたり各種規制が行われたりと、目まぐるしく情報が更新されています。

「ドローン関係の法律がよくわからない」「何が良くて何がダメなの?」など、ドローンを飛ばしたくても法律・規制がわからない方が多いでしょう。

ドローンの法律や規制は変化し続けているので、常に最新の情報を把握しておく必要があります。

2023年7月現在のドローン規制について解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

ドローンに関する法律や規制

頭上を飛び交うドローンが墜落したり衝突したりすれば、大きな事故につながるため、安全に飛行できるよう法律・規則で規制されています。

しかしドローンに関する法律や規則は複数あり、目まぐるしく制定・改正されているので、把握が難しいのが現状。ドローン関連の法律や規則について解説します。

航空法

ドローンの飛行方法について、航空機の安全や航空活動の管理を目的とする「航空法」で定められています。

飛行機やヘリコプターなどドローン以外の航空機やドローン同士の接触、危険な飛行による墜落・衝突などの事故を防ぐため、国土交通省により定められました。

ドローンパイロットが遵守すべき基本的なルールは「飛行禁止空域」と「飛行方法」の2つです。

飛行禁止空域で飛行したり、飛行方法のルールを破ったりすれば、当然ながら罰則が科せられます。

ちなみに航空法の内容はたびたび改正・追加されているため、常に最新情報を把握しておく必要があります。

飛行禁止空域の規制

ドローンの飛行には「飛行禁止空域」が定められており、無許可で飛行させられません。

飛行禁止空域としては、以下のような空域が挙げられます。

・地表または水面から150m以上の高さの空域
・空港周辺の空域
・緊急用務空域(緊急時に警察・消防活動などの航空機の飛行に使用される空域)
・人口集中地区の上空

これらは有人航空機への衝突リスクや、落下した場合に人的被害をおよぼす可能性が高い空域として、原則飛行禁止になっています。

しかし地表または水面から150m以上の空域でも、物件から30m以内の空域は例外的に飛行禁止空域の対象外です。

飛行禁止空域でドローンを飛行させたい場合、あらかじめ国土交通大臣(管轄の地方航空局・空港事務所)から許可を受ける必要があります。

ただし緊急用務空域は、捜索・救助などの用途以外では許可されません。

※出典:国土交通省. 「無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法」

飛行方法の規制

飛行方法にも規制が設けられており、飛行場所に関わらずドローンを飛行させる際に遵守する必要があります。

禁止されている飛行方法は、以下のとおりです。

・アルコール・薬物などの影響下で飛行させない
・飛行前確認を行う
・航空機または他の無人航空機との衝突を予防して飛行させる
・他人に迷惑をおよぼす方法で飛行させない
・日中(日出~日没まで)に飛行させる
・目視(肉眼)範囲内でドローンとその周囲を常時監視して飛行させる
・人(第三者)または物件(第三者の建物・自動車など)と30m以上距離を保って飛行させる
・祭礼・縁日など多数の人が集まるイベントの上空で飛行させない
・爆発物をはじめ危険物を輸送しない
・ドローンから物を投下しない

ただし5番目~10番目に関しては、地方航空局長の承認を事前に受けていれば可能です。

※出典:国土交通省. 「無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法」

罰則

飛行禁止空域を国土交通大臣の許可なく飛行したり、飛行方法の規則を守らなかったりなど、航空法に違反した場合、違反者には50万円以下の罰金刑が科されます。

無許可でドローンを飛行させれば、逮捕される可能性もあります。

特に業務でドローンを使用する場合は、法律違反・逮捕により社会的信頼を低下させるリスクもあるため、うっかり法律違反にならないように、航空法をはじめ法律を熟知しておきましょう。

※出典:千葉県警察. 「小型無人機(ドローン)等の飛行に関するルール」

航空法が適用外となるケース

ドローンの飛行空域・飛行方法に関して、航空法で規制が設けられていますが、航空法が適用外となる3つのケースがあります。それぞれ解説するので、覚えておきましょう。

100g未満のドローンの場合

100g未満のドローンは、航空法の対象外となります。

航空法では100g以上のドローンは無人航空機として扱われ、法規制の対象になりますが、100g未満のものは「模型航空機」に分類されるため航空法の対象外です。

ちなみに、この重量は機体本体・バッテリー重量の合計です。

ただし後述する小型無人機等飛行禁止法の対象には含まれるため、100g未満のドローンも法律の規制対象となります。

屋内飛行の場合

屋内飛行は第三者への被害リスクが低いため、航空法の適用外です。

例えば体育館や倉庫、トンネルなど建物の中であれば、自由にドローンを飛行させられます。

また「屋内」の定義は、一般的にイメージされる壁に囲まれた施設だけでなく、ドローンが外に飛び出さない環境であれば、屋内とみなされます。

ネットで四方を取り囲まれドローンが施設外に飛び出ないよう対策されていれば、たとえ屋外でも屋内扱いになるため、航空法の適用範囲外です。

捜索や救助活動でのドローン利用の場合

捜索や救助活動の際は、特例として航空法が一部適用されなくなります。

適用範囲外となるのは、下記5つの項目です。

・日中(日出~日没まで)に飛行させる
・目視(肉眼)範囲内でドローンとその周囲を常時監視して飛行させる
・人(第三者)または物件(第三者の建物・自動車など)と30m以上距離を保って飛行させる
・祭礼・縁日など多数の人が集まるイベントの上空で飛行させない
・爆発物をはじめ危険物を輸送しない
・ドローンから物を投下しない

ただし国や地方公共団体、またはそれらから依頼を受けた者に限り対象となります。

小型無人機等飛行禁止法

小型無人機等の飛行禁止法は、飛行禁止空域を定めている法律で、国が定める重要施設付近でのドローン全般の飛行を禁止しています。

対象となる施設は以下のとおりで、重要施設・その周囲約300mの周辺地域上空は飛行禁止です。

・国会議事堂
・内閣総理大臣官邸
・外国公館
・原子力事業所
・空港 など

航空法と違い重量による区別はないため、全てのドローンが対象となります。

ただし一部例外はあり、対象施設の管理者や管理者から同意を得た場合や、土地の所有者もしくは所有者から同意を得た場合、国・地方公共団体の業務による飛行は許可されます。

※参考:警察庁.「小型無人機等飛行禁止法関係|警察庁Webサイト」

道路交通法

道路交通法では「交通の妨げになること」が違反とされるため、ドローンの使用で交通への影響が考えられる場合は許可が必要です。

例えばドローンの離着陸・飛行により車や歩行者などの通行を妨げる場合や、人が集まることで交通に悪影響をおよぼす場合などは、道路使用許可が必要となります。

周囲へおよぼす影響を考えて、安全に配慮しましょう。

※参考:警察庁.「道路使用許可の概要、申請手続等|警察庁Webサイト」

民法

民法はドローンの使用を直接規制していませんが、土地の所有権は「その土地の地下・上空にまでおよぶ」とされているので、他人の土地の上空で飛行させないよう注意しましょう。

私有地上空での所有権の範囲は、「一律に 設定することは困難」であり「事案ごとに判断される」とされていますが、無許可で飛ばせば土地所有者から損害賠償請求を受けるかもしれません。

この私有地は住宅はもちろんですが、民有林や駅・線路、神社仏閣、観光地なども私有地に含まれます。

私有地を勝手にドローンで飛行・撮影できないので、私有地上空で飛行させたい場合は、必ず土地所有者から事前に許可を得ましょう。

※出典:内閣官房小型無人機等対策推進室.「無人航空機の飛行と土地所有権の関係について」

電波法

電波法により、ドローン・送信機から発信される電波には一定の周波数帯が総務省から割り当てられています。

電波法は、さまざまな機器から飛び交っている電波の周波数を区分けすることで、効率的に利用できるよう交通整備を施す法律です。

もし規定の周波数帯以外でドローン・送信機を使用すれば、電波法違反となります。

海外では周波数が異なる場合があるため、通販サイトなどで購入した海外製品を使用して、知らないうちに法律違反になってしまう可能性もあります。

技術基準適合証明である「技適マーク」のついた製品であれば法律基準をクリアしているので、国産・海外産問わず技適マークのついた商品を選びましょう。

※参考:総務省.「電波利用ホームページ|その他|ドローン等に用いられる無線設備について」

都道府県や市町村の条例

使用する都道府県や市町村によっては、国が定める法律以外にも、ドローンに関する条例が定められている場合もあります。

例えば東京都では100g未満のドローンも含め、都立公園内での飛行を全面禁止にしています。

他にも大阪では管理上の観点から、淀川ではドローンの飛行が禁止。河川・海岸は公共物のため自由使用が原則ですが、例外的に禁止となっています。

このように都道府県・市町村によってルールが異なる可能性があるため、飛行させる土地にどのような条例があるのか事前に確認しておくことが大切です。

ドローンに関する知っておくべき制度や義務

ドローンを飛行させる上で、知っておくべきドローンに関する制度や義務がいくつかあります。

ドローンを活用できるように、どのような制度・義務があるのか把握しておきましょう。

国家資格制度

規制の改正によって2022年より、新たに国家資格制度が設けられました。

国家資格は一等無人航空機操縦士と二等無人航空機操縦士の2つの等級に分けられ、それぞれ飛行できる範囲に違いがあります。

一等資格・二等資格ともに有効期間は3年間で、対象年齢は16歳以上となっています。

どちらも国の指定試験機関である「日本海事協会」が行う技能証明試験をクリアしなくてはなりません。

国の登録講習機関の講習を修了している場合は、実地試験が免除されます。

飛行場所や飛行方法によっては、引き続き国家資格なしでも飛行させられます。

しかし国家資格があると「特定飛行の解禁」「申請・許可の省略」など、ドローンの活用の幅が広がるため、ドローンをビジネスに活用しやすくなるでしょう。

※参考:一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA).「国家資格制度(1等、2等)とは | ドローン資格認定」

一等無人航空機操縦士と二等無人航空機操縦士の違い

一等無人航空機操縦士と二等無人航空機操縦士の大きな違いは、レベル4飛行の可否です。

ドローンの飛行形態は、下記4つのレベルに区分されています。

・レベル1:目視内での手動操縦飛行
・レベル2:目視内での自動・自立飛行
・レベル3:無人地帯における目視外飛行
・レベル4:有人地帯における目視外飛行

従来はレベル4飛行は安全面から禁止されていましたが、国家資格制度が設けられたことで解禁され、一等資格者であれば条件を満たせば飛行が可能になりました。

レベル4飛行が可能になることで「イベント会場上空での空撮」「有人地帯への配達物の輸送」など、今まではできなかった方法でドローンを活用できます。

二等資格ではレベル3飛行までしか行えないため、レベル4飛行が必要な場合は一等資格の取得が必須です。

二等無人航空機操縦士と民間資格の違い

二等無人航空機操縦士と民間資格の大きな違いは、国家資格者は基本的に飛行ごとの許可・申請が不要になることです。

国家資格制度が制定されるまでは、民間資格しか存在しない状態でしたが、あくまで技能レベルを証明するためのもので、民間資格がなくても操縦できました。

二等無人航空機操縦士も民間資格もレベル4飛行は行えないため、飛行形態に違いはありませんが、国家資格があるとドローンを飛ばす際に必要な各種申請が一部免除されます。

二等資格者が免除される許可・承認は、以下のようなものが挙げられます。

・人口集中地区上空での飛行
・目視外飛行(無人地帯)
・夜間飛行
・人・物との距離30m未満の飛行

こうした許可・申請は飛行ごとに必要なため、国家資格があると申請にかかる手間・時間を削減でき、ドローンを活用しやすくなります。

機体の登録義務制度

航空法により100g以上のドローンは国土交通省へ「機体の登録」を行うことが、2022年から義務付けられました。

ドローンが無数に飛び交うような時代になると、これまで以上に墜落・接触事故や危険飛行などトラブルが増えると予想されます。

ドローン1台1台が誰のもので、機体の安全性が確認されているか事前に登録しておくことで、全ドローンが安全に飛行できる環境を整備するための制度です。

登録が義務付けられているのは、以下の情報です。

・所有者・使用者の情報:氏名・住所・連絡先 など
・機体の情報:製造者名・形式・製造番号・重量 など

所有者・使用者単位ではなく、機体単位で登録する必要があるので、一人で複数台所有している場合はそれぞれ登録しましょう。

※参考: 国土交通省.「無人航空機登録ポータルサイト」

登録が免除されるケース

基本的に全てのドローンに登録義務がありますが、一部登録が免除されるケースもあります。

以下のようなドローンは、例外的に登録を免除されます。

・研究開発のために飛行させる場合:機体の仕様が未確定の段階で、安全性や性能向上のため、仕様変更や設計変更を繰り返しているもの
・製造過程において飛行させる場合:量産・受注販売されるドローンを、出荷前の製品検査・調整などのために飛行させるもの

上記に該当している場合は、国土交通大臣に「試験飛行届出」を提出していれば登録義務が免除されます。

リモートID機器搭載義務

ドローンの機体には「リモートID」を搭載することが、義務付けられています。

「リモートID」とは、機体に関する情報を電波で発信し遠隔で確認できる仕組み。以下のような情報を発信します。

・登録記号
・メーカーが定めた製造番号
・位置情報(緯度・経度・高度)
・速度
・時刻
・認証情報(個人情報は含まない)

飛行中のドローンが、どのような機体か把握できるため、危険・不審な飛行を行うドローンを特定したり、未登録の機体を判別したりと、安全にドローンを運用しやすくなります。

あらかじめ機体にリモートID機能が内蔵されているドローンもありますが、未搭載の場合は外付け型のリモートID機器を取り付ける必要があります。

※参考: 国土交通省.「無人航空機登録ポータルサイト」

まとめ

ドローンには航空法や小型無人機等飛行禁止法など、さまざまな法律・規制があるため、違反しないように各種法令を把握・遵守する必要があります。

違反すれば罰金刑が科されたり社会的信用が失墜したりするため、常に最新の情報をチェックしておきましょう。

とはいえ、法律に違反しない機体の見極めが難しい場合もあるかもしれません。ビジネス用途での活用を考えているのであれば、株式会社ACSLの国産産業用ドローンがおすすめです。 インフラ点検・物流・測量・警備と幅広い分野で活用でき、数々の実証実験も成功させています。お気軽に資料請求・お問い合わせください。

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