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ドローンの自動運転でできること8選!資格の必要性についても解説

性能・機能
更新日:2023.08.04

ドローンは目まぐるしく進化しており、パイロットが操縦しなくても自動で飛行できるものも登場しています。

ドローンの自動運転は、メーカーや第三者の製作したアプリで飛行範囲やルートを設定すれば、障害物を避けながら自動的に飛行してくれる機能です。

誰でも思い通りに飛行させやすくなるのはもちろん、墜落防止にもつながります。

ドローンに自動運転が備わることで、さまざまな分野で活用の幅が広がります。

本記事では、自動運転によってできることを紹介するとともに、資格の必要性についても解説します。ドローンをビジネスに活用したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

ドローンの自動運転(自動航行)とは?

ドローンの自動運転とは、あらかじめ飛行範囲やルート、対象物などを設定しておけば、自動で飛行できる機能のことです。

ドローンは自身の位置や対象物との距離、障害物の有無などを把握して、ぶつからないように飛行できるため、従来の手動操作よりも効率的かつ安全性の高い飛行が可能となります。

主に以下のような方式があります。

自動運転の方式概要
GPS方式多くのドローンに採用されている方式。「ドローン本体の座標」と「目的地の座標」を測り飛行します。   ただし位置情報を受信できない場所では利用不可。周辺環境によっては精度の低下や誤差が生じるのが難点です。
トラッキング方式対象を自動追尾する機能。人物や乗り物などを自動的に追いかけるため、空撮の際に活躍します。
AI搭載カメラで得られる情報から周辺状況を把握して、障害物を認識して衝突を回避したり、周囲の地形・状態を認識して飛行経路を新たに作り出したりできます。
RTK方式GPSからの位置情報に加え、地上の「基準局」からも位置情報データを取得することで、誤差の少ない高精度な飛行が可能です。   GPS方式と同じく周辺環境は把握できないのが難点です。

GPSを筆頭に複数の機能を用いることで、ドローンの自動運転が実現されており、複数の方式を併用することで、精度を高めています。

例えば株式会社ACSLが提供するSOTENでは、位置情報把握手段としてGPS・準天頂衛星みちびき・サブメータ級測位補強サービス(SLAS/SBAS)の3つの情報を利用しています。

また、より精度を高めたい場合には、カメラやレーザー照射で位置情報を把握するケースも。煙突内のような非GPS環境でも、位置情報と周辺環境を把握して自動飛行できます。

ドローンの自動運転はレベル2飛行以上に該当する

ドローンの飛行は飛行する場所や操縦方法などから、4つのレベルに区分されていますが、自動運転はレベル2飛行以上に該当します。

4つの飛行レベルは、以下のような違いがあります。

・レベル1飛行:目視内での操縦飛行。操縦者が肉眼で確認できる範囲で、ドローンを手動で操作する
・レベル2飛行:目視内での自律飛行。操縦者が肉眼で確認できる範囲で、ドローンが自動で飛行する
・レベル3飛行:無人地帯を目視外で飛行。手動・自動を問わず、操縦者が肉眼で確認できない範囲を飛行する
・レベル4飛行:有人地帯を目視外で飛行。手動・自動を問わず、操縦者が肉眼で確認できない範囲を飛行する

基本的に「操縦者が目視できる範囲内であるか」と「第三者がいるか」によってレベル設定が上がっていきます。

自動運転は、レベル2飛行以上に該当します。

ドローンの自動運転に必要な資格は?

ドローンには民間の資格や国家資格など、さまざまな資格が存在していますが、自動運転は資格がなくても行えます。

中でも国家資格は2022年12月に追加された新制度で、概要は以下のとおりです。

・一等資格・二等資格の2パターン
・16歳以上で取得可能
・3年ごとの更新が必要(JUIDAの場合2年)
・国交省への飛行申請が一部不要
・講習を受講し、技能試験・学科試験に合格すると発行
・民間資格取得者は講習時間が短縮

国家資格がなくてもドローンは飛ばせますが、国家資格を取得すればレベル4飛行を実施できたり一部飛行の申請を免除されたりと、ドローンの活用の幅を広げられます。

また優れた技能・知識を持っている証となるため、技術証明としてのアドバンテージとなります。

国家資格がなくてもレベル3まで飛行可能

国家資格制度が新設されましたが、国家資格なしでもレベル3までなら飛行させられます。

レベル3飛行は国土交通省へ申請し、許可・承認を受けられれば誰でも飛行可能。ドローンの自動運転には、必ずしも国家資格は必須ではありません。

無人地帯であれば夜間飛行や目視外飛行といった特定飛行も、許可・承認を取得すれば可能です。

ただし有人地帯での自動飛行はレベル4にあたるため、国家資格である一等無人航空機操縦士が必要となります。

農薬の散布や橋梁・ダムの点検など、第三者が立ち入らないような場所での使用であれば、目視内・外を問わず国家資格を取得する必要性はありません。

特定飛行や仕事での使用なら国家資格を取得すべき

ドローンの自動運転に国家資格は必須ではありませんが、仕事でドローンを扱うのであれば、国家資格を取得しておくのがおすすめです。

レベル3飛行までであれば国家資格がなくても飛ばせますが、特定飛行に該当する場合、飛行のたびに許可申請が必要となります。

特定飛行とは、目視外飛行や夜間飛行、人・物件30m未満での飛行などが挙げられます。

例えば業務で毎日のように目視外飛行させる場合、飛行のたびに申請するのは現実的ではないでしょう。

国家資格を有していれば、立入管理措置は必要となりますが、人口集中地区での飛行や夜間飛行、人・物件30m未満での飛行、目視外飛行といった一部特定飛行の申請が不要です。

また一等資格であればレベル4飛行も可能になるため、有人地帯での自動運転も可能になります。

申請を省いたスムーズな業務進行やレベル4飛行が必要になる場合は、国家資格の取得は必須といえるでしょう。

自動運転でできること8選

ドローンの自動運転が可能だといっても「自動運転で何ができるの?」「どんな業務に使えるの?」と思われるかもしれません。

自動運転によってどのようなことがもたらされるのか、8つの分野に分けて紹介します。

点検

ドローンの自動運転によって、従来よりも効率的かつ安全に点検できると期待されています。

大規模ソーラーパネルや大規模工事現場といった、広大な敷地で定期的な点検が必要な場合、人間が点検を行うのは多くの時間と手間が必要になります。

自動運転であれば指定した飛行ルートに従って、正確かつ迅速な作業が可能になるため、時間・コストの削減が可能です。

また橋梁やダムの点検のように、人間が容易に行けない場所や危険が伴う場所でも難なく点検できるのもメリットです。

例えば、株式会社ACSLの煙突点検用ドローンは、工場・発電所の煙突・ボイラーなど、作業員による目視点検ではコストがかかり危険を伴う作業も安全かつ正確に行えます。

従来の手動操縦のドローンでは、操縦者によって撮影レベルにバラつきがあったり、操縦者が設備内に入る必要があるため危険だったりしました。

しかし自律飛行するドローンを導入すれば、撮影レベルを平準化した上で安全に作業できます。

農業水産業

農業や水産業の分野でも活躍し、人手不足の解消や労働の負担軽減、コスト削減につながると期待されています。

農業分野では特に農薬散布の面で使用が広がっており、今までは手作業やヘリコプターなどを使用していましたが、ドローンであれば低コストで作業を行えます。

他にも害獣駆除や農作物の生育観察、種まき、受粉など、さまざまな面で活用できると考えられており、自動で行ってくれるため人手不足解消にもつながるでしょう。

また魚群探知や害鳥被害の予防として、水産業にもドローンは活用されます。

魚群探知にドローンを活用すれば、確実に魚がいるポイントに向かって漁を行えるため、船の移動を最小限に抑えられ、コスト削減・業務効率化につながります。

土木・建設

土木・建設の分野では、空から測量できるようになることで、広範囲の撮影を素早く低コストで行えるようになります。

従来は人力で行うかセスナからの空撮などで行われていましたが、ドローンでの写真・レーザー測量の方が、低コストかつ素早く広範囲を測量できます。

ドローンなら空から測量を行えるので、人が立ち入れない場所や危険な場所も測量可能です。

また専用ソフトを用いて、測量したデータを自動的に解析してくれるのも魅力。自動的に図面まで作成してくれるため、測量データから図面を作成する作業が不要です。

測量はもちろん測量後も含め、従来の方法よりも人員を削減できます。

物流・運搬

物流や運搬の分野でもドローンは期待されており、トラックなどでの輸送に代わりドローンが飛び交うようになるでしょう。

配達ドライバーの不足や配達トラックによる慢性的な交通渋滞、交通渋滞による配送の遅延など、物流業界が抱える課題を解決するとされているのがドローンです。

自動運転のドローンであれば空中から荷物を自動配送できるため、渋滞を起こすことなく少ない人員での配送が可能になります。

また過疎地域や災害時の孤立地帯など、徒歩や車での移動が難しい場所への物資輸送も簡単に行えます。

ただし、有人地帯での目視外飛行はレベル4にあたるため、国家資格である一等無人航空機操縦資格が必要です。

ドローンによる物流・運搬は、自治体・企業が多くの実証実験を繰り返しており、既に初飛行も行われているなど、実用化が近付いています。

空撮

既にドキュメンタリーやバラエティ、CM、ドラマ、映画、ミュージックビデオなど、多くの分野でドローン空撮が取り入れられていますが、自動運転で表現の幅が広がります。

代表的な自動撮影モードとして、以下のようなものが挙げられます。

・フォローミー:対象を追尾しながら撮影
・ドローニー:対象から上昇後退しながら撮影
・サークル:対象を中央に周回軌道で撮影

手動操縦ではできないような機械的な動きができるため、操作ブレのない均質な映像を撮影できます。

またレベル4飛行の解禁で、有人地帯でも目視外飛行できるようになるため、スポーツの試合や音楽フェスなどイベントの中継を自律飛行で行うことも可能です。

エンターテイメント

ドローンを用いたエンターテイメントを可能にするのも、自動飛行ならではのメリットでしょう。

東京オリンピックの開会式をはじめ、日本各地でドローンによる夜空に模様を描くショーが開催されています。

ドローンにLEDを搭載してプログラミング操作を行うことで、隊列を組んだり整然と飛行したりして、夜空に光のアートを描くことが可能になっています。

何百・何千というドローンを一糸乱れることなく、全て手動で動かして図形を描いたり模様を作ったりするのは現実的ではありません。

フォーメーション飛行の難易度が高いのはもちろん、手動でドローン同士が接触しないよう飛行させるのは難しいため、ドローンの自動運転があってこそのショーだといえるでしょう。

警備サービス

自動運転であれば人がいなくても巡回監視ができたり、目視では見逃してしまう広範囲のイベント監視も行えたりと、警備の効率化や精度アップが期待されています。

ドローンを使った警備は、主に「動く監視カメラ」としての活用が検討されています。

従来の監視カメラでは見える範囲に限りがありましたが、ドローンであれば縦横無尽にカメラを動かせるため、不審者を見失うリスクを最小限に抑えることが可能です。

AIを活用すれば目視よりも不審者を見逃しにくくなるため、警備員や手動操縦よりも不審者検知の効果が高まるのもポイントです。

また人が駆けつける必要がなくなるため、人員削減にもつながります。

不審人物や野生動物の追跡のような、危険と隣り合わせの業務をドローンが代替することで、従業員の安全性を向上させる効果も期待できるでしょう。

災害や事故の調査

災害や事故の調査にも空を飛べるドローンは有効で、自動運転によってより多くの情報を集められるようになります。

災害や事故が発生した場合、人が立ち入れない場所や危険な状況でも、ドローンであれば以下のような作業に従事できます。

・被災状況の把握:現場を空撮して即座に状況を把握できる
・被災者の発見:赤外線カメラやセンサーを搭載して、逃げ遅れた人を見つけ出す
・救助活動:火災現場での消火剤散布や、海難救助での浮き輪の投下などを行う
・救助活動の支援:救助に必要な物資や救援物資を輸送する

自律飛行により数多くのドローンを同時に飛行させられれば、わずかな時間で被災現場の状況を把握できるようになります。

一分一秒を争う災害時の対応を素早く行えたり、災害時で人手が不足していても調査や輸送を行えたりと、ドローンにより人命が救われると期待されています。

まとめ

ドローンの自動運転により、多くの分野で効率化やコスト削減、課題の解決など、従来の方法や手動運転にはないメリットが得られると期待されています。

自動運転の方式はさまざまですが、精度を高めるために複数の方法で、機体や対象物の位置、周辺状況を把握するのが一般的です。

また自動運転自体は国家資格がなくても行えますが、使用できるシチュエーションが限られてしまうことや許可申請の手間があることなどから、ビジネスで使用する際には国家資格の取得がおすすめです。

自動運転可能な産業用のドローンを探している方は、株式会社ACSLの商品をチェックしてみてください。 煙突・ボイラー・調圧水槽点検ドローンや風力発電機点検ドローンといった、自律飛行可能な点検用ドローンを開発・販売しています。ぜひ気軽にご相談・資料請求ください。

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