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ドローンで夜間飛行する際の注意点は?航空法違反にならないために

法律・制度
更新日:2023.10.19
ドローンで夜間飛行する際の注意点は?航空法違反にならないために

空撮などの撮影をはじめ、さまざまな分野で活用されてきているドローンですが、航空法によって禁止されている事項がいくつかあります。
うっかり禁止事項に抵触してしまうと航空法違反となり、罰則を課せられてしまいます。

航空法で禁止されていることの一つが、ドローンの夜間飛行。「夜景を撮影できないの?」「夜間業務に活用したかった」と思われるかもしれませんが、飛行には許可が必要です。
許可申請を行い国土交通省から承認されれば、夜間飛行を行うことが可能です。

ドローンで夜間飛行を行う上での注意点として、規制の内容や申請方法を解説します。夜景の撮影など夜間飛行を行いたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

ドローンの夜間飛行に関する規則は?

ドローンは航空機などと同じく、航空法を遵守する義務があります。

航空法には飛行時間の規則として、無人航空機の飛行に関して定めた航空法第132条の2第5号において「日出から日没までの間において飛行させること」という記載があります。
つまり夜間の飛行を禁止しており、もし許可なく飛行させれば航空法違反です。

夜間はドローンの位置や姿勢、周囲の障害物などを目視で把握するのが難しくなるため、墜落などのリスクが高まるため禁止されています。

対象となるドローンは、機体本体とバッテリーの重量の合計が「100g以上」のドローンです。
以前は200g以上のドローンが対象とされていましたが、2022年6月20日から重量100g以上の機体が「無人航空機」の扱いに変わったので注意しましょう。

しかしドローンの夜間飛行は一律で禁止されているわけではなく、夜間飛行の訓練を行った上で、国土交通省からきちんと許可を得られれば飛行は認められます。

たとえ訓練であっても夜間飛行は禁止されているので、夜間飛行の状況を再現した専用施設での訓練や、地方航空局に申請して訓練する必要があります。

出典:航空法|e-gov

出典:飛行ルール(航空法第9章)の対象となる機体|国土交通省

夜間飛行のための追加基準

ドローンの飛行を国土交通省へ申請する際は、マニュアルと申請書を提出しますが、申請内容は「審査要領」を基に判断されます。

夜間飛行に関しては、審査要領に別途追加基準が設けられているため、基準をクリアすることが必須です。

夜間飛行に関する追加基準を満たすには、以下の項目を押さえておく必要があります。

・ ドローンに機体の向きを判別できるライトを搭載する(飛行範囲が明るい場合は不要)
・ 飛行高度と同じ距離の半径の範囲内に、第三者が存在しない
・ 一定以上の飛行能力を有する(有さない場合は管理者の下で、第三者のいない場所で訓練する)
・ 日中に経路や障害物を下調べし、最適な飛行ルートを決めておく
・ ドローンの特性を理解した補助者を配置する
・ 明るい場所で離着陸させる

夜間飛行を行うには、操縦者の飛行技術の高さや周囲の安全確認が重視されているので、基準を満たせるよう努めましょう。

罰則

国土交通省からの許可が下りていないにもかかわらず、ドローンを夜間飛行させた場合、航空法第157条の6第4号により、50万円以下の罰金が課せられます。

航空法第157条の6第4号には「第百三十二条の二第一項第二号、第三号又は第五号から第八号までの規定に違反して、無人航空機を飛行させたとき」と記載されています。

百三十二条の二第五号の規定とは、夜間飛行に関する条文のこと。許可のない夜間飛行は危険なので、安易に行ってはいけません。また虚偽の申告をして、許可申請するのも同じく50万円以下の罰金が課せられます。
夜間飛行の訓練を十分に行っていないにもかかわらず、規定を満たしたと申告するケースなどが挙げられます。

どちらも重大な事件・事故に発展する可能性があり、前科一犯となるため、必ず航空法を遵守しましょう。

出典:航空法|e-gov

ドローンの夜間飛行が禁止されている場所と時間

ドローンの夜間飛行が禁止されている場所と時間

ドローンの夜間飛行の規制には、飛行を禁止する「場所」と「時間」が定められています。夜間飛行の規制について、より深く理解するためにも、対象となる場所と時間を把握しておきましょう。

場所

夜間飛行は屋外であれば、どのような場所でも原則禁止されています。

人口密集地であれ山間部であれ規制対象なので、夜間飛行させる場合は必ず国土交通省への許可申請が必要です。
ただし夜間飛行が規制されているのは屋外のみで、屋内の場合は規制の対象外です。国土交通省の承認がなくても、飛行させることができます。また例外的に、屋内としてみなされる場所もあります。
例えば四方をネットで囲まれたゴルフ練習場は、屋内とみなされるので規制の対象外です。

基本的には屋外が規制対象となっており、屋内や屋内とみなされる場所では、夜間であっても飛行禁止の対象ではありません。

時間

夜間飛行において重要なポイントの一つが、夜間とみなされる時間についてです。
航空法では日出から日没までとされていますが、人によって日出・日没の定義は異なるでしょう。

国土交通省発行の「無人航空機に係る規制の運用における解釈について」によると、国立天文台が発表する情報を基準とするとされています。
注意点としては、日出・日没の時間は「地域」「標高」「季節」などに左右され、日本国内であっても必ずしも一律ではないということです。

例えば初日の出は茨城県や千葉県の方が、沖縄県より早くなっており、逆説的に沖縄県の方が夜間の時間が長かったことになります。
他にも山頂や谷間など、標高の差があれば、たとえ狭い範囲でも「夜間」の時間は異なります。

ドローンを飛行させる際は、うっかり夜間飛行になってしまわないように、飛行地域の日出・日没の時刻を確認することが大切です。

日出・日没時間の調べ方

日出・日没時間の調べ方

夜間飛行となってしまわないように、ドローンを飛行させる際は、日出・日没の時間を正確に調べる必要があります。

航空法では国立天文台が発表する情報を基準にしているので、国立天文台ホームページ内の「国立天文台暦計算室」で調べるのがおすすめです。
「今日のこよみ」に「場所」と「日にち」を指定すれば、フライト当日や前後のデータを調べることができます。

また都道府県単位はもちろんですが、市区町村単位でも調べられるので、より詳細な情報を得ることが可能です。

「こよみの計算(CGI版)」で、フライトの年月日・都道府県・市区町村を指定し、GOをクリックして検索すれば完了です。他にも「各地のこよみ(表引版)」から、都道府県と何月かを選択すれば、その月の日出・日没の時刻を一覧で表示させることもできます。
とはいえ最近ではスマートフォンやタブレット用のアプリでも、簡単に日出・日没の時間を調べられます。

GPSで現在地の情報が見られるので、より手軽なのが魅力。無料・有料を問わず、さまざまなアプリがあるので活用してみてください。

夜間飛行の申請方法

夜間飛行についてわかったところで、申請する具体的な方法を解説します。

そもそも夜間飛行に限らず、ドローンの許可承認申請には「マニュアル」と「申請書」の2つの書類が必要。申請内容は審査要領を基に判断されます。

夜間飛行の申請方法には「オンライン」「郵送」「持参」の3つがあり、国土交通省では原則「ドローン情報基盤システム(飛行許可承認機能)」(通称DIPS)からのオンライン申請を推奨しています。

ちなみに一般的なドローンの飛行申請は東京空港事務所長または関西空港事務所長宛てに行いますが、夜間飛行の場合は東京航空局長または大阪航空局長宛てとなるので注意しましょう。

申請書について

ドローンの飛行申請には「個別申請」と「包括申請」がありますが、夜間飛行の場合にも両方の申請が可能です。

個別申請の場合、申請書には以下5つを明記する必要があります。

・ 飛行日時
・ 飛行場所
・ 夜間飛行エリアの策定
・ 補助員の配置図
・ 安全対策の要件

申請から許可が下りるまで時間がかかるので、フライト日から10日前までを目安に提出しておくようにしましょう。

初めての申請など、不備があるかもしれない場合は、2~3週間前など余裕を持って提出するのがおすすめです。また、夜間飛行の訓練を行った累計時間の記載も必要です。

累計時間の合格ラインは明確に定められていませんが、虚偽申告は航空法違反になるので、正直に記入してください。

マニュアルについて

マニュアルは国土交通省が用意している「標準マニュアル」か、自分で作成する「独自マニュアル」のどちらかを使用しましょう。

標準マニュアルを利用すれば、独自にマニュアルを作成する必要がないので、内容をしっかりと理解してマニュアルに沿って飛行すれば問題ありません。

しかし標準マニュアルには、以下のような記載があります。
・ 人もしくは家屋が密集している地域の上空では夜間飛行を行わない
・ 夜間の目視外飛行を行わない

もし夜間に人口密集地帯でのフライトや目視外飛行を行いたいのであれば、独自マニュアルを作成しなくてはなりません。

独自マニュアルは自ら作成するオリジナルのマニュアルなので、標準マニュアルでは対応できない飛行でも申請可能です。

しかし個人での作成は難しく、特に申請が初めての場合はドローンに詳しい行政書士や国土交通省の「無人航空機登録ヘルプデスク」などへ相談するのがおすすめです。

独自マニュアルの作成が必要な場合

標準マニュアルはいくつかの条件下で夜間飛行ができないため、該当する場合は独自マニュアルが必要です。

大きく3つのケースがあり、以下のような場合が該当します。
・人口密集地区での夜間飛行
・ 目視外での夜間飛行
・ 飛行高度と同じ距離の半径の範囲内に第三者がいる場合の夜間飛行

「人口集中地区での飛行」と「夜間飛行」両方の許可を得ている場合や「目視外飛行」と「夜間飛行」両方の許可を得ている場合であっても、標準マニュアルでは飛行できません。

どちらのケースも独自マニュアルを作成して、申請する必要があります。

また飛行高度と同じ距離の半径の範囲内に第三者がいる場合も、独自マニュアルが必要です。

例えば上空100mまで飛行させた場合、ドローンの真下を中心に半径100m圏内に第三者がいてはいけないということ。第三者が範囲内に立ち入らないよう規制するのは困難でしょう。

標準マニュアルに記載されている「夜間飛行できないパターン」に該当する場合は、独自マニュアルを作成しましょう。

航空法を遵守してドローンを夜間飛行させよう

ドローンの夜間飛行は航空法で禁止されており、実施するには国土交通省に申請して承認される必要があります。
もし無許可で夜間飛行させれば、航空法違反となり取り締まりの対象となるので要注意です。

ドローンの夜間飛行の申請は、通常の飛行申請に追加基準があるので、基準を満たして申請しなくてはなりません。
株式会社ASCLでは、国産のセキュアな産業用ドローンを開発・提供しています。
ANAホールディングス株式会社と株式会社セブン-イレブン・ホールディングスが実施した、日本初の日没後の夜間飛行・配送を含めたドローン配送サービスの実証に、国産ドローンACSL-PF2が使用されました。

インフラ点検など企業における夜間飛行で活躍できるドローンがあるので、ぜひチェックしてみてください。

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