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ドローンのレーザー測量とは?レーザーの種類やメリット・デメリットを解説

測量
更新日:2023.12.05
ドローンのレーザー測量とは?レーザーの種類やメリット・デメリットを解説

さまざまな分野で活用が広がっているドローンですが、中でも注目を集めているのが上空からの測量です。

従来の測量は「地上に人員を配置しての測量」や「航空機を使った測量」が主流でした。
しかし、どちらも手間がかかったり費用がかかったりといった問題があるのです。

対してドローンを使用しての測量であれば、既存の測量方法よりも短時間かつ安価に行うことが可能です。測量技術の向上によって、精度も大幅にアップしています。
とはいえドローンの測量が、どのように行われているのかピンとこない方もいらっしゃるでしょう。

ドローンの測量の種類や、中でも写真測量より精密な地表データが得られる「レーザー測量」のメリット・デメリットを解説します。

ドローンによる測量の導入を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

ドローンによる3つの測量方法

ドローンによる3つの測量方法

ドローンによる測量方法は、主に写真測量・レーザー測量・グリーンレーザー測量の3つがあります。

共通点としては、測量場所とドローンの間に障害物があると測量できないということ。いずれも一長一短ある測量方法なので、用途に応じて使い分ける必要があります。

それぞれの測量方法の特徴やメリット・デメリットを解説するので、方法ごとの違いを把握しておきましょう。

写真測量

光学カメラで、上空から地面を撮影する測量方法のこと。複数の航空写真をつなぎ合わせることで、地形情報を取得します。
撮影する範囲を重複させることで、より立体的なデータを取得することが可能です。ドローンの位置情報と写真を基に、写真の歪みを修正してつなぎ合わせます。

撮影するだけなので、専門的な機材は必要なく、安価に測量できます。
また写真測量のデータは、レーザー測量よりも色彩がはっきりわかるのも特徴です。

ただし樹木など障害物が多い場所では、得られる地表データが少なくなるため、レーザー測量に比べ情報量が少なくなるのがデメリットでしょう。

費用を抑えて測量したい場合や、伐採済みの地形測量に適しています。

レーザー測量

ドローンに3次元レーザースキャナ(LS)を搭載して、レーザーで地表を測量する方法です。

レーザーを地表へ照射し、反射したレーザー光線の情報を基に地表との距離を測定します。こうした情報とドローンの位置情報を合わせて、地形情報を取得します。
一部のレーザーは樹木間をすり抜けて地表まで到達するため、伐採前の山林などでも地形を測量可能です。

パルスと呼ばれる反射情報が多ければ多いほど、地表の情報を取得できる可能性が高まります。
写真測量よりも精密な地表データが得られるものの、レーザー測距装置は高額な機材なので、測量費が高額になってしまいます。

伐採前の山林など、写真測量ではデータを取得しにくい場所での測量に適した方法です。

グリーンレーザー測量

地表だけの測量ではなく、河川や港湾のような陸地と水面が混ざった場所の測量には、水の影響を受けない特殊なグリーンレーザーで測量を行います。

グリーンレーザーは上空から照射すると水底まで到達するので、水の透明度などによって精度は左右されるものの、陸部と水部を同時に測量可能です。

例えば河川の陸地から川底まで、水陸がつながった3次元モデルを作成可能。河道状況の把握や、河川の維持管理に役立ちます。他にも海岸・港湾など、水辺での測量に活躍します。

しかし特殊な機材が必要になるため、機材費が高くコストがかかるのがデメリットです。
機材自体も大型なので、搭載するドローンも大きなものが必要。使用できるドローンに制限があるのも欠点だといえます。

河川や海岸、港湾など陸部と水部を、同時に測量したい場合に適した方法です。

航空レーザー測量とは?

レーザー測量は、ドローンが台頭してくる以前は航空機を使用した「航空レーザー測量」が主流でした。

国土地理院では2001年から行われており、航空機に搭載されたレーザー装置から地表に向けてレーザーを照射することで、広範囲を測量する方法です。それまで主流だった写真測量よりも密度の高いデータが取得でき、レーザーが通り抜けられるのであれば、一部山林なども地表を測量できるのが利点でした。

上空から測量できるため、人が入って行けない地域でも測量できるのもメリットです。

ただし雲や雨によりレーザーが散乱・反射するため、データの正確性が天候に左右されるのが欠点です。また狙った地点へレーザーを照射できないため、局所的な測量ができないのもデメリット。水中や地下なども測量不可で、航空機を飛ばすため費用が高いのも難点と言えるでしょう。

対してドローンはコンパクトで小回りが効くため、ピンポイントでの測量が可能。航空機よりも近くから測量するため、精度の高いデータを取得できます。

何より航空機を飛ばすよりも、安価に測量することが可能です。

参照:第11回 航空レーザ測量について その1|国土地理院

ドローンによるレーザー測量のメリット

ドローンによるレーザー測量のメリット

ドローンによるレーザー測量のメリットとして、大きく2つの代表的なポイントがあります。

それぞれ詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

高密度のデータを取得できる

ドローンのレーザー測量は、従来の航空機よりも低空から測量を行うので、精度の高いデータを取得できます。

ドローンの場合は、地上100メートル程度上空から測量を行いますが、航空機は高度1,000メートル以上から測量を行うため、近距離から測量できるドローンの方が高精度です。
雲よりも下から測量するので、レーザーが散乱・反射する心配が少ないのも、測量精度の高さにつながっています。

またコンパクトで小回りが効くため、人が立ち入れなかったり、航空機では測量できないような狭い場所でも測量が可能です。

参照:ドローン測量は航空レーザー測量より優秀?それぞれのメリット・デメリットを比較してみた|ドローンスクールポータル

広い範囲を短時間で測量できる

広範囲を短時間で測量できるのも、ドローンによる測量の強みです。
上空から測量を行うため、地上から人力で行うよりも広い範囲を測量できます。
加えて短時間で測量できるのもメリット。準備や人員配置などに時間がかからないので、従来の測量方法よりも素早く作業が完了します。

測量データの取得だけでなく、解析も素早く行えるので、トータルでかかる時間を大きく短縮できます。また航空機や地上からの測量と比べて、少ない人員で行えるため、人件費を大幅に削減することも可能です。

測量にかかる時間と人件費が抑えられるので、従来の測量方法よりもコストダウンを図れます。

ドローンによるレーザー測量のデメリット

高密度のデータを取得できたり、広範囲を短時間で測量できたりと、メリットの多いドローンによるレーザー測量ですが、同時にデメリットも存在します。

ドローンによるレーザー測量が適しているかどうかはケースバイケースなので、デメリットも押さえておきましょう。

超広範囲の測量には不向き

広範囲の測量を行えるドローンですが、超広範囲にわたっての測量には不向きです。

ドローンのバッテリーの都合で長時間飛行することは難しいため、何百ヘクタールもあるような広大な土地を一気に測量するのは難しくなっています。何度も離着陸を繰り返して測量する必要があるため、あまりにも広大な土地の場合は、どうしても時間がかかってしまいます。
超広範囲の土地を一度に測量するのであれば、ドローンよりも航空機の方が適しているでしょう。

測量を行う土地の広さによって、測量方法を使い分ける必要があります。

写真測量よりも費用が高い

同じドローンによる測量方法でも、レーザー測量よりも写真測量の方が安価にできます。

レーザー測量に用いる機材は高価なため、特殊な機材がなくても行える写真測量と比べると、どうしても費用が高くなってしまいがちです。
しかし写真測量の場合は、樹木などが生い茂っていると、得られる地表データが少なくなるため、レーザー測量に比べ情報量が少なくなってしまいます。

山林など植生地域で測量するのであれば、樹木間をすり抜けて地表データを収集できるレーザー測量の方が、高精度の測量が可能です。

写真測量よりも費用は高くなりますが、両者できる範囲に違いがあるため、測量したい場所に応じて使い分けるとコストを抑えられます。

ドローンによるレーザー測量がおすすめの場面

ドローンを用いたレーザー測量は、土木工事や電線点検、森林計画などの場面で活用できます。

レーザー測量は写真測量とは違い、樹木などが生い茂った植生地域でも地表面のデータを取得することが可能です。複雑な地形も細かく測量できます。

例えば樹木が生い茂る場所に建物を建設する場合、人が分け入って測量するのは困難ですが、ドローンであれば上空から地形データを取得可能です。
写真測量では得られなかった高精細なデータを取得できるので、土木工事や森林計画などの分野で活躍が期待されています。

また点検の分野では、送電線と樹木の隔離評価など、人的コストと点検時間が大幅にかかっていた作業が、ドローンのレーザー測量で代替可能です。

樹木の隔離評価は、森林保安伐採の時期や場所を特定するために必要となるものですが、ドローンで行えば効率的かつ短時間で作業が完了します。

このように山間部や森林など、写真測量では十分なデータを取得することが難しかった樹木が生い茂る場所でも、レーザー測量であれば高精度な測量データを安全に得られます。

場所に応じた測量方法を選ぶことが大切

ドローンによる測量方法は大きく3つあり、いずれもメリット・デメリットがあるため、どのような場所を測量したいかによって、適切な方法を選ぶ必要があります。

これはドローンにも同じことがいえ、ひと口にドローンといってもさまざまな機種や仕様があるので、目的や測量する条件に合致するドローンを選ぶことが大切です。

ドローンの得手不得手や測量方法のメリット・デメリットを把握して、適した方法を選びましょう。

おすすめ製品:PF2-AE Survey 測量

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