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ドローンによる物件投下の可能性|ドローン連携による配送モデルの検証について

物流
更新日:2022.12.12
ドローンによる物件投下の可能性|ドローン連携による配送モデルの検証について

ドローンは撮影や点検などの分野で活用されており、物流分野での活躍も期待されています。

ドローンの物流への活用として中でも注目を集めているのが、ドローンによる物件投下です。

読んで字の如く、ドローンから何らかの物を投下することを指し、配送物などだけでなく、農薬の散布なども投下物に該当します。

この物件投下により、配送モデルが大きく進化する可能性があるとされています。

とはいえ「物件投下って何?」「どのような使い方がされるの?」と思われる方が多いでしょう。

ドローンの物件投下の基本を解説するのと併せて、ドローンと連携することによる配送モデルの拡大・検証について紹介します。

ドローンの物流への活用を考えられている方は、ぜひ参考にしてみてください。

ドローンによる物件投下とは?

ドローンによる物件投下とは?

物件投下とは、ドローンから何らかの物を落とすことを指します。この物件は物品としての意味合いが強く、配送物などが想定されます。

例えば離島への物資輸送や宅配業務などへの使用が想定され、実用化すれば物流スタイルがガラッと変化するでしょう。

しかし不用意な投下は歩行者などに当たってしまう危険性が高いのはもちろん、機体バランスが崩れて飛行が不安定となるため、航空法によって禁止されています。

現在は一定の基準を満たした上、国土交通省や地方航空局に申請・承認されることで、物件投下が可能になります。

また物件というと物体をイメージするかもしれませんが、液体・霧状のものも含まれるので、水や農薬などの散布も物件投下の範疇です。

空中からの農薬散布や種まきなど、農業への活用も期待されているドローンですが、これらも物件投下に当てはまるため、許可承認が必要となります。

もし承認されないまま行えば、航空法違反となるので注意が必要です。

既に実証実験が進んでおり、今後の活用・拡大が注目されています。

物件吊り下げとの違い

物件投下とよく似たものに「物件吊り下げ」がありますが、両者の違いは、ロープなどで吊り下げるかどうか。これらは似て非なるもので、吊り下げは基本的に認められていません。

物件吊り下げとは、ロープなどでドローンと物品をつないで、吊り下げて飛行する行為を指します。

物を吊り下げていることにより、風や慣性の影響を受けやすくなるため、吊り下げた物が横揺れすればするほど、機体に揺れが伝わり機体が不安定になりやすいのが特徴です。

他にもロープがプロペラに巻き込まれたり、木や構造物に引っ掛かったりするなど、墜落の危険性が高い飛行です。

航空法で禁止されているわけではありませんが、国土交通省が策定した「航空局標準マニュアル」内で禁止されています。

よく似ていますが、異なる行為として定義されているため注意が必要です。

物件設置との違い

物件設置は、物件投下とは違い、着陸することで物件を置くことを指します。

物件投下は文字通り落とすためドローンは飛行したままですが、物件設置の場合は着陸して荷物を下ろします。

こうした違いから別の行為として分類されており、物件の設置は「物件投下」には含まれていません。

物件投下のように、国土交通省や地方航空局からの承認を必要としないため、ハードルが低くなっているのが特徴です。

ただし物件設置用の機構が必要となるため、改造機扱いになるケースがほとんど。国土交通大臣や航空局長から、機体の承認を受ける必要はあります。

「物件」とは具体的に何を指すの?

「物件」というと住宅など建造物をイメージしますが、航空法の物件は「物品」の意味合いが強くなっており、ドローンが運ぶ荷物などを指す言葉となっています。

具体的には約1kg未満のものが該当し、ドローンが運ぶ宅配の荷物や撮影用に積まれているカメラなどが当てはまります。

この物件には荷物のような個体だけでなく、液体や霧状のものも含まれるため、水や農薬なども該当することには注意が必要です。

こうした物件をどのように運ぶかによって、物件投下・物件吊り下げ・物件設置の3つにジャンルが分かれます。

物件投下には何が必要?押さえておきたい4つの注意点

配送品を送ったり農薬・水を散布したりと、物流や農業に役立つと注目されている物件投下ですが、物件投下を行うためには、いくつかの注意点があります。

訓練や申請・承認などが必須のため、すぐに行えるものではありません。物件投下を行う上で、押さえておきたい4つの注意点を解説します。

訓練や許可・承認が必要になる

物件投下を行うには、国土交通省や地方航空局の承認が必要です。

物件の投下により歩行者へ危害が加わったり、機体バランスが崩れることによる墜落の可能性があったりと、リスクの高い飛行方法のため必ず許可申請を出し承認を受ける必要があります。

しかし申請すれば誰でも許可されるわけではなく、ドローンに専用の機構を搭載した上で、規定回数以上の投下訓練を行うことで、初めて地方航空局長に許可申請を行えます。

具体的には「5回以上の物件投下実績」と「物件投下前後で安定した姿勢制御ができる」ことの2つが必要です。

とはいえ物件投下の訓練は、たとえ練習のためでも野外で行うのは禁止されており、専用の設備を整えた設備内で行わなければなりません。

物件投下コースが設けられているドローンスクールで、教官立ち会いのもと訓練を行いましょう。物件投下の前後で、安定してホバリングできるかどうかが主なチェック対象です。

もし農薬散布など液体散布を検討しているのであれば、スクール側に対応の可否を事前に確認しておきましょう。

専用の施設内で規定回数以上の訓練を行ったら、国土交通省や地方航空局に許可申請を行い、承認されれば晴れて物件投下が可能になります。

ドローンの飛行許可申請を行う場合、基本的には管轄の地方航空局長に申請しますが、物件投下を行う場合は「東京航空局長」もしくは「大阪航空局長」への申請が必要です。

物件投下を行う機体の申請が必要になる

物件投下を行うには、パイロットの訓練だけではなく、使用する機体の申請も必要です。

物件投下を行う機体は、専用の機構を搭載する必要があるため、改造機として申請しなくてはなりません。ちなみに物件の設置の場合でも、同じく改造機扱いとなります。

物件投下の申請を行う際には、物件投下の機構についても説明が求められ、機構の設計図・写真を添付しなくてはならない場合もあります。

物件投下を行う機体に求められる機構としては、基本的に下記の2点です。

・スイッチなどにより、物件を投下する機能があること
・不用意に物件を投下しない構造になっていること

機体から物件を投下できるような仕組みが必要なのはもちろんですが、飛行中に誤って物件を落としてしまわないように、ストッパーとなる機構も必要となります。

しかし上記はあくまで基本的な内容であり、これらに限定されている訳ではありません。不安な場合は、ドローンスクールなどに確認するのがおすすめです。

申請は自分で行うのがベター

物件投下の申請は複雑で難しいのですが、行政書士や司法書士に任せっきりにせず、自分で行うのが良いでしょう。

なぜなら申請を行うには、航空法や航空局基準マニュアルなどの理解が必須で、物件投下を行う上で知っておくべき内容が多く含まれているからです。

もし行政書士や司法書士に申請を丸投げしてしまえば、遵守すべき内容に関して理解が足りないまま、申請が通ってしまうかもしれません。

自身の知識を確認する意味合いもあるので、自分の手で行うのがおすすめです。

そもそもドローンからの物件投下は、航空法で禁止されている危険を伴う行為で、事故につながりやすくなっています。

許可申請を行う過程で、航空法や航空局基準マニュアルの理解を深めることで、事件・事故を未然に防げるでしょう。

とはいえ物件投下の場合は改造機の確認など、通常の許可申請よりも確認項目が多く、複雑になります。

「一から全てを自ら行うのは難しい」「正しくできるか不安」と思われる方も多くいるはず。

そういった場合は行政書士や司法書士に依頼するのは有効な手段ですが、何か合った場合に「知らなかった」では済まされないので、丸投げせず必ず自分の目でも確認しましょう。

虚偽の申請は罰則対象になる

もし故意に虚偽の申請を行えば、罰則対象になるので注意しましょう。

虚偽申請を行った場合、航空法違反となり罰則の対象です。例えば十分な訓練を行っていないにもかかわらず、訓練済みと虚偽の申請を行った場合などが該当します。

こうした虚偽の申請を行うと、航空法第160条により罰金刑(50万円以下)が課され、前科一犯となってしまいます。

物件投下は業務上行われるケースがほとんどなので、クライアントとの信用問題にもつながるため、罰金刑が課されるだけでなく、今後の業務に支障が出る可能性が高いでしょう。

物件投下は落下物が通行人に当たったり、不安定になった機体が墜落したりと、事故のリスクが高い飛行方法なので、安全のためにも絶対に虚偽申請は行わないようにしてください。

ドローン連携による配送モデルが検証・拡大されている

ドローン連携による配送モデルが検証・拡大されている

ドローンによる物件投下を活用したビジネスは既に検証が進められており、今後拡大していくと目されています。

例えば、日本郵便が実施したドローンおよび配送ロボットの連携による配送試行では、下記動画のようにドローンの物件投下との連携を進めています。

株式会社ZMP Youtubeサイトより
無人宅配ロボ DeliRo(デリロ)|ドローンとの連携による配送モデルの検証

荷物を入れるボックスを搭載した宅配ロボ「DeliRo®」。自動運転技術を応用しており、宅配先へ自動で向かいます。

配送モデルの検証として、ドローンと宅配ロボを連携させて、配送域の拡大を図っています。

具体的にはドローンが物件投下で山間部へ荷物を送り、受け取った宅配ロボが宅配先へ向かうという仕組みです。

この物件投下には、ドローンの開発・販売を行っている株式会社ACSLの国産ドローンが使用されています。

ドローンによる物件投下のみならず、ロボット技術や自動運転技術など、その他の先進技術と組み合わせることで、今までにない物流スタイルが実現できると期待されているのです。

ドローンの物件投下には多くの可能性がある

物件投下とは、ドローンから宅配物を届けたり、農薬などの液体を散布したりすることを指します。危険を伴うため航空法で禁止されていますが、許可を得れば行うことができます。

物件投下が一般的になれば、配送モデルが大きく進化する可能性があるとされており、物流をはじめ農業など多くの分野で、期待を集めている技術です。

株式会社ACSLでは、物件投下を任せられるセキュアな国産ドローンの開発・販売を行っており、日本郵便の検証にも使用されました。

物件投下への使用を想定したドローンをお探しの場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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